iPhoneのアプリって、難しい

ここ最近、思うのですがApp Storeにリリースされるアプリの品質がどんどんよくなっているように思う。
iPhoneは日本での発売はまだ1年もたっていないのに!
日本のデベロッパーの数もずいぶん増えたのではないだろうか?
意欲のある方が大勢いらっしゃる証拠であり、喜ばしいことだと思う。
また、逆に1年近くもたったので、初期のころからのデベロッパーはiPhone OSの特性や使い方のスキルがアップしたと言うことかも知れない。
これまで、ソフトの開発といえば、Windowsが当たり前であり、その他のOSはすべてマイナーで、そもそも、デベロッパーの数が限られていた(サーバ系はLinuxなどが頑張っていたかも知れないけど、...)。
しかし、iPhoneApple App StoreObjective-Cをマイナーな言語からC++のようなメジャーな言語に押し上げようとしていると思う。
私の記憶では、Objective-Cの方が、C++より早く世に出たように思う。
C言語から派生して、オブジェクトを扱える言語としてはMac用であったがために、一部の開発者に支持されるだけの言語であった。
Cocoaについても、もう20年前くらいでしょうか?元はジョブスさんがAppleを追われて、Next社を設立したときに開発されたものと記憶している。当時の呼び名はNextStepである。現在のCocoaのクラスがNSで始まるのは当時のなごりだと思う。
4、5年前ではObjective-CCocoaなどを知る人など、ほとんどいなかった。
つまり、Objective-CCocoaはこれまで、不遇の日々を送ってきたことになる。
書籍なども、Happy Macintosh Developing Timeぐらいに記憶している。
それがどうだろう、NDAが一部解禁されると、IPhoneCocoaObjective-Cの本が目白押しである。
個人や中小のデベロッパーにもソフト販売の道を開いたApple App Storeの功績だと思う。
ただ、やっぱり、iPhoneのアプリって、難しい。
難しいという意味は言語的ということではありません(言語的にはむしろ、C++よりやさしいと思う)。
私が難しいと思う理由は以下です。
(1)iPhoneは組み込み機器であり、限られたメモリと低速CPUしか与えられない。
つまり、快適に動作するアプリを提供するには、通常のPC開発以上にいろんな面での配慮が必要になるということです。
(2)iPhoneのユーザはMacユーザも多く、アプリに望む理想が高い。
いいアプリは機能がいいのはあたりまえですが、それ以上にかっこいいか?という価値観がある。
このアプリはかっこいいか(クールか)?という、Apple独特の価値観を共有する大勢のMacファンがいるということです。
つまり、Windowsなどのビジネス用アプリに必要なことは機能です。できることが第一義で、かっこいいは不要な価値観でした。
かっこいいは個人の主観であり、その世界を追うことはCPUに負荷も賭けるし、嫌われると最悪なため、誰も必要以上に追い求めなかった。
(3)Apple App Storeはユーザの声をそのまま、レビューという形で反映させている。
つまり、だれでもすぐに、そのアプリの不備や改善要求を行える。また、それがオープンになっている。
このことはアプリの優劣を星の数で示し、ダウンロード順にランクづけし、いいも悪いも、アプリを勝ち組と負け組を分けるということです。
この情報はあっという間に、世界中に広がります(ここら辺は情報社会だなあと思います)。
つまり、iPhoneのアプリでユーザの満足をえるためには、これまでのビジネスアプリの価値観では到底無理だということです。
むしろ、ゲームやコンシューマ向けのWebサイトの開発に近いのかもしれない。
しかし、これは、非常にむずかしいことです。
○よい機能 - これは通常、優秀なプログラマーが必要です。
○かっこいいもの - これは通常、優秀なデザイナーが必要です。
○快適な動作 - 組込み機器のソフト開発の長年の経験が必要です。
ここまで書いて、自分でもやっぱり、難しいよなーと思いました。
自分で作ったアプリもたいしたことないのは同然なのかと、ちょっと、落ち込みます...。
Apple App Storeで一攫千金を狙うことは非常に難しいです。
ありえないことを思うのが妥当です。
でも、未来に夢を抱いて、ソフトを開発していくことはできます。
いつかは、皆さんに喜ばれるものを作れると!
でも、これもうぬぼれなだけなんだろうなあ。